しまなみ海道
知ってる？

　広島県尾道から向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島、
　愛媛県今治までを結ぶ大小１０本の橋がつなぐ本州四国連絡道路。
　本州四国連絡道路の中で唯一、歩いたり自転車で渡る事の出来る海の道。
　車で尾道⇔今治は約６０㎞　（約１時間位かな？）
　自転車で尾道⇔今治は約８０㎞　（時間はわかんないな？これは人それぞれでして（＾＾；））　

ある日、何を思ったのか突然 「どこかへ行こう！」 と思い立った。
１人でのんびり出来る所・・・・。
どこへ行きたい？何が見たい？と自問自答した所、
「海！！」 という答えが出た。
海と言っても・・・どこの海がいいか・・・・
「瀬戸内海！」 やっぱりね、自分が育った所がいいんだ、と実感。
早速、ネットで調べる。
「小豆島？淡路島？行った所ばっか・・。ん？しまなみ？サイクリング？！」
もう私の心はウキウキドキドキ！
私は自分のチャリに名前を付ける程のチャリ大好き人間なのだ。
もう、私の心は決まった。
「しまなみが私を呼んどるでぇ～！」

せっかく行くんだからゆっくりしよう！という事で１泊する事に決定。
８０㎞を１日で、なんてハード過ぎるし・・観光も出来ないし！
さてさて、しまなみ海道までどうやって行くのか・・。
なるべく金のかからない様にしたいと思っている私。（ケチ！）
バス、電車、船。時間的には電車か船かだなぁ・・。
安い切符を買う為に金券ショップに寄ってみた。

そこで発見！！これなるものが！

「おぉおぉおおぉお？なんだこりゃ？」

関西汽船って・・もしや？ショップのお姉さんに見せてもらったら
やっぱりそうだった！今治行きの船だ！！
１枚３００円でGET！４割引やから・・
５４００円が３２４０円？！　安っ！！買いだ！買いだ！
世の中にはこんないいチケットあるんや・・、知らんかったら損やなぁ。

この旅行へ行こうと決めてから行くまでが早かった。４日経つか経たないか。
１人旅だからな～んも気にする事もない。
初めての１人旅。１人が好きな私だけど旅は始めて。
どんな旅になるのか期待と不安の入り交じった旅でした。

出発の朝、天気が心配。昨日もチェックしたのにまだ心配してる。
晴だ！よぉしっ！！　　　　　　　　　　　　　
出かける前に部屋の掃除、片付け。いつもやらない所までも・・。
だって、もし事故かなんかで死んでしもうたら・・・親戚が家に来て
「こんな汚い所に住んでたんだぁ」って思われたら嫌やもん。
いつも「もしも」の時を考えて行動する変な私である。

夕方、阪急電車で御影駅へ。そこから歩いてＪＲ住吉駅へ。
住吉駅構内のスーパーで晩ご飯のパンとビールを購入。
連絡バスで六甲アイランドフェリー乗り場へ。
フェリーの時間まで少し時間があったので記念の写真をパチリ。

←　ダイヤモンドフェリー
神戸六甲アイランドから
今治、松山、大分へ毎日上下２便運行。
施設はレストラン、大浴場、
ゲームコーナー、売店ありました。

２２時過ぎ乗船開始のアナウンスが。
すっごくドキドキ。ここから未知なる旅が始まるんだぁ、なんて。
まずは寝床探し。私の寝床は一番安い２等席。
ようやく見つけた。今治と書いたドアが・・。　　　　　　　　　　

出航まで時間があったので船内偵察。
レストラン、ちょっと高そうなセルフ。パン買って正解や。
売店、ま、こんなもんか。おっ！大浴場、神戸の夜景を見ながら入ったらええやろうなぁ。
デッキへ行ってみた。昼は暑くてもやはり夜は肌寒い。
カップルがタイタニックみたいな事をやってる(^^;)
鼻で　「ッフゥッ(-_-)」　と笑ってみる。
けどホントは私もやってみたいんだぁ！　まさに負け犬の遠吠えだ。

船が動き出した。どんどん岸壁から離れていく。
あぁ・・とうとうだな・・。期待と不安で神戸の夜景を見つめていた。
毛布配布のアナウンス。急いでお金持って取りに行く。

部屋に帰ると１５人位に増えていた。
毛布にくるまって酎ハイを開けた。　「うまぁ～！」　大好きなフランスパンを食べる。
ほろ酔い気分でドテ～ッと横になる。　「めっちゃ良い気分～(*^_^*)」　
少し休んで大浴場へ向かう。
服を脱ぎかけて気が付いた。タオルないやん！買わなきゃぁ・・クソッ！いらん出費だ！
だが無類の風呂好きの私にとってはこれは譲れない。仕方ない・・・。
案内所のお姉さんに　「タオル売ってませんかね？」　と聞くと
小声で　「大浴場に売ってますけど売店で買った方が安いですよ」　
ニコニコ笑って教えてくれた。私がケチってわかってたんやろうか？
売店でタオルを購入。急いで大浴場へ。
結構広くてキレイやん♪足を伸ばしてゆっくり浸かる。
さぁて・・窓の外には・・あれ？！何も見えんやん！え！どういう事！
あぁ・・そうや、反対側やったんや・・。真っ暗・・何も見えない・・。
しょげて部屋に帰ると、もう消灯になっていた。
中々寝つけれない・・・あっち向いてこっち向いて・・。
しびれを切らした私は部屋から出てデッキへ向かった。
デッキへ出て一番先に出てきた言葉は　「怖い」
経験した事も感じた事もない深い深い闇がそこには待っていた。
でも、見上げるとそこには素晴らしい星空が待っていた。
怖さなんて吹っ飛んでしまう。
満天の星の中に天の川。流れ星がいくつもいくつも見えた。
深呼吸。天に向かって　「ありがとう」
目に焼き付けておかなきゃ。もういつ見れるかわかんないし・・。
ずっと見ていたかったが明日の事考えて寝床へもぐり込んだ。

入った瞬間、「あぁぁ～」
１畳あるかないかの敷きパットが並んでる。
窓際の隅に陣取った。
毛布がない？！見渡してもない。
反対の隅にいたお姉さんに「毛布ってないんですかね？」
「出航したらアナウンスがあるから。
５０円持って取りに行くんだよ」
金かかるんやぁ・・仕方ないわな・・。

５時前に起きる。もうすぐ今治に着く。
窓の外には瀬戸内の島々が。
寝ぼけ眼のまま、歯磨きする。
５時半に今治港到着。
ダイヤモンドフェリー降りて見送る。

今治港から今治駅まで１５分程歩く。
朝早いせいか、車も人も少ない。
今治は少し、寂しい町だな。

始発に乗って波止波駅で降りる。

　　　　　　無人駅の波止波駅→

波止波駅からサンライズ糸山まで歩くんだけど・・頭の中の地図を思い出す。
え～っと・・。こっちでいいハズ・・。あれ？あれ？うぅん？
開店前のスーパーの前で屯してるおじ様方に聞いてみる。
方言丸出しで言われるからイマイチ・・・。なんとかわかったケド・・(^_^;)
お礼言って歩き出したら後から　「乗せてってやろうか？」　と天の声！
が、丁寧にお断りした。頑張って歩かなきゃ！私の旅だもの。
が・・後で後悔・・。サンライズ糸崎まで３０分程かかってしまった。
サンライズ糸崎へ着いたけどもレンタサイクルがまだ開いてない！
仕方なく先に来島海峡展望台展望台へ行った。

５分ほど歩いて展望台へ。
そこにはバイク旅行者が沢山いた。
軽く会釈して写真を撮ってるとバイクの兄ちゃんが
「　お姉さん、どこから来たの？」
人なつっこい顔で話しかけてきた。
１人で来ている事にビックリしたようだった。
バイクでの旅行は楽しいらしい。
そりゃそうだろうなぁ、いいなぁ・・。
でも私はチャリダーでいい。金かからんモン！

←来島海峡展望台からの眺め
朝日が当たっててとってもキレイでした。

サンライズ糸崎へ戻り、レストランで朝食を食べた。
お腹が空いてたので沢山食べた。っていうか、バイキングっていうのも手伝って。
ご飯を食べ終えた頃に茶碗蒸しが出てきた・・。好物の茶碗蒸し(-_-;)なんでだよ・・。
後ろ髪引かれる思いでレストランを出た。食べ物の恨みは怖いんだじょ～Ψ(｀◆´)Ψ

レンタサイクル申し込みをする。２日間レンタルして尾道で乗り捨てで２０００円。
そこのおじちゃんがまぁ、すっごく楽しい人で・・色々話を聞けた。
マウンテンバイクがいいよ、と勧めてくれたけど荷物があるから３段切り換えの普通のチャリにした。
でも・・私・・切り換え付いたのって初めて・・。ヨロヨロヨロヨロフラフラ～。
レンタサイクルのおじちゃんが手を振って「いってらっしゃぁ～い」って笑ってた。

来島海峡大橋の自転車道へ行くまでが結構な坂。チャリを押して行く。
ようやく橋の袂まで着いた。おっと、料金箱が。２００円。ちゃんと入れなきゃね。
目の前の視界がどんどん大きくなっていく。雄大な橋が姿を現した。
「うわぁ、すっげぇ～でけぇ～、キレイやなぁ。」
朝日が眩しく、海に反射してキラキラ光ってる。車も人もいなくて橋を独り占めした感じ。
約、３０分弱で渡り切った。途中写真ばかり撮ってたから遅くなりました。

来島海峡大橋は世界初の３連吊り橋。
しまなみ海道の中で一番大きい橋。傾斜大。次の島、大島まで６.２㎞という長い橋。

橋を渡り終えて大島へ。亀老山展望台へ登ろうとしたが自転車では絶対無理と聞き、諦め
400種6,500株ものバラが咲き誇る四国最大級の吉海町バラ公園へ行くことにした。
私自身、バラっていう柄じゃないケド・・。
サイクリングコースから外れ、海岸沿いをひたすら走る。

看板に沿って走ってたらバラ公園に到着。だが・・誰もいない・・。
バラも・・ほとんど枯れている。時期が悪かったのか。すぐに出発。
サイクリングコースに戻ろうとしたのだが道がわからない・・。
近くで芝を刈ってた爽やか兄さんに聞いてみる。
「え～！ここから？！１人で？！」またもビックリされる。もう慣れたわ^^;
よく話を聞いてみると峠を越えなければならないらしい。キツい峠らしい。
「ま、なんとかなるやろう」と笑って爽やか兄ちゃんと別れた。
が・・・・・・
段々キツくなってきた。最初は切り換えでなんとかしてたけど・・。
マジめっちゃキツい！！こんな坂、チャリで登った事ないわ！！！
ホンマ、死ぬ！って思った。陽がカンカン照りで風もなく、コンビニもない。
後から追い抜いていく人に　「頑張って～」　と声を掛けられる。
何回も休憩しようって思ったけど峠を越すまで頑張った。
ようやく下り坂になった所で休憩をした。スポーツドリンクをがぶ飲み。
５分程休憩してまた走り出した。下り坂だからめっちゃ楽チン。
次の橋、大島大橋まで１２㎞弱を２時間程で完走。

こういう海沿いの、のんび～りした風景が
懐かしい様で昔を思い出しながら走りました。

歩道が大きく取ってあって
車を縦に置ける位幅を取ってる所もあった。
釣りする人には最高やなぁ。
あぁ・・久しぶりに魚釣りしたくなってしもた。

大島の料金所で５０円払ってチャリを止めて写真を撮ろうと思ってた所へ
サイクルウェア着たお兄さんが話しかけて来た。
「写真撮りましょうか？」嬉しくなって撮ってもらった。左下写真
もう１人連れがいるらしくお返しに写真を撮ってあげた。　　　　　大島大橋↓

伯方島に到着。伯方と言えば、塩！関西では伯方の塩っていうＣＭやってないよな。
工場があると聞いていたけどサイクリングコースから外れるので断念。
１５時には宿泊先のある生口島へ到着しておきたかったからもあるんだけど。
途中、マリンオアシス伯方という所で休憩。お土産物を見てまわった。
さっき会った２人組の兄さん達もウロウロしていた。アイスを買おうか迷っているみたいだ。
５分程休憩して先を急いだ。ようやく見つけたコンビニで水を購入。
伯方島の自転車道６㎞弱を３０分ほどで通過。

大三島大橋。
東洋一のアーチ橋。
しまなみ海道に一番に架かった橋。
下に見える潮の流れが激しく怖い。
こここの交通料金も５０円。

↑ここで写真を撮ってるとあの２人組さんがやってきた。
「鼻栗瀬戸展望台へ行った？」　へ？あぁ！そう言えば・・。
急いで来ちゃったんで看板見逃しちゃったみたい・・。
ここでまた写真を撮ってもらって少し話をした。
２人は福山から自転車で来たらしく相当のチャリダーらしい。
私も福山はよく知ってるのでローカル話しで盛り上がった。
「尾道行くならあそこのラーメン絶対食べて帰りんさい」
「女の子１人っていうのは珍しいなぁ、なんできたん？」
なんで？って・・。ただの気まぐれ・・失恋したってこんな事せんし。
２人に別れを言い、先に出発。
大三島の海岸沿いを爆走！疲れが出てきたがチャリダーは負けないのだ。

多々羅しまなみ公園
「多々羅大橋」の袂にある道の駅。
特産品や産直の野菜など売ってありました。
ドライブの休憩場所にはもってこいの場所です。

ここで昼休憩。
昨日買ったパンの残りをパクつく。
眺めもいいし、潮風は気持ちいいし。
ホンマ、最高！ビールあったらもっと最高！

あの橋を越えたら宿泊先のある生口島だ！もう少しだ！頑張らなきゃ！
気合い入れて出発したのだが中々橋にたどり着けない。
今まで見なかった地図を広げてみると・・ゲッ！道間違えてんじゃねぇか！
急いでＵターンする。多々羅しまなみ公園まで戻ってきた所にまたあの２人が・・。
不思議そうに見てる・・。　「間違えたの！」　　皆で笑った。
通行料金１００円払ってドキドキしながら渡る。
多々羅大橋は2羽の白鳥が羽を広げたような形で斜張橋で世界最長だそうだ。
世界一を渡るのって気持ちいい～！気が大きくなっちゃう。（態度も同じ位大きい）
「多々羅大橋で不思議な現象が起こるの知ってる？」
そう言えば何か書いてあったような・・。
塔の下へ来た所に何かあるぞ。拍子木がある。「鳴き龍？なんだそりゃ？」
試しに叩いてみるとビックリ！めっちゃ響いてる！声までも響いてる。
鳴らした音が反射しながら登っていく現象（多重反射音）らしい。
実はこの現象、観光客が気づいたらしい。設計者さんもビックリだったでしょう。

とうとう、生口島へやってきました。今治から約３０㎞を７時間。
２人組の兄さんに「サンセットビーチって所あるんだけど、そこはキレイだよ」と
教えてもらって別れた。でも・・ビーチに１人ってのはどうじゃろ・・(-_-;)

←
ＮＨＫ「ひょっこりひょうたん島」
モデルになった島だそうです

サンセットビーチ沿いの道路に　　→
レモンの木がずらぁ～と植えてあります。
鈴生り状態でした。でも採らないで！！

福山からきた兄さん達
とっても面白くて優しかった。
色々教えてくれてありがとう！

生口島は島をまるごと美術館にしていて
野外彫刻があちらこちらに存在します。
気をつけてみていないと見逃します。